有料老人ホーム探しのポイント
■新しい有料老人ホームが開所と同時に100%埋まってしまうということはありません。これからの生活の基盤になるのですから、現状の焦りや不安から逃れるためではなく、最も家族や本人の希望を取り入れた新しい生活のために、じっくり比較して、ゆっくり探すという心の余裕を持つことが大切です。
■有料老人ホーム選びの大切な要素は、「立地」「サービス内容」「価格」です。ただし、有料老人ホームのサービスや価格は多様化していますので、「介護サービスが手厚い」「24時間看護師常駐」「基本サービス中心だが低額」など、ホーム毎にセールスポイントは違います。ですから、どのようなポイントに重点を置くのかを、事前に話し合っておくことが必要です。
■「有料老人ホーム選びは、多様化している有料老人ホームを比較・検討することです。有料老人ホームは特別養護老人ホームのような老人福祉施設ではありません。ですから、たくさんのホームを比較すればするほど、「AホームとBホームは、一時金の償却方法違うな!」「同じ介護付でもスタッフの数が違うな!」「このホームは食事が別料金か!」など、有料老人ホーム毎に、そのサービス内容や価格設定の方法、スタッフ教育の質が大きく違うということがわかってきます。少なくとも3社、できれば5社〜10社の有料老人ホームを比較・検討しないと、その概要をつかむことはできません。評判や紹介だけで選ぶのではなく、複数の有料老人ホームを比較・検討・見学を行うことが、不可欠です。
■初めて有料老人ホームの見学に行くと、その建物や設備の豪華さに驚き、事前にサービス内容を比較・検討していても、建物や雰囲気に飲まれてしまう人がいます。しかし、要介護状態の高齢者が有料老人ホームで快適に生活するためには、仕様の豪華さよりも、「移動のしやすさ」「使いやすさ」が、より重要になってきます。また、興味のないようなレクレーションや使えないような設備が多く準備されていても、それは費用がかさむだけで何の意味もありません。必要な設備やサービスは、入居者の身体的状況や希望によって大きく違いますから、見学をより有意義なものとするためには、入居者の実際の生活をイメージすることです。
■有料老人ホーム選びは、ほとんどの人にとって初めての経験ですから、契約書や重要事項説明書を読んでもわからないことや、新しい疑問は次々とでてきます。また、他のホームの見学で聞いた新しい情報によって発生する新たな疑問や、入居者や家族それぞれの個別の希望や心配もあるでしょう。
せっかく事前に準備していても、「個人的なことは恥ずかしくて聞けない」「経営のことやトラブルについては質問しにくい」という話をよく聞きます。しかし、聞きにくい、答えにくい質問はすべて重要なポイントですし、対応の難しい希望やニーズに対して、どのように答えるかで、そのホームの経営体質や誠意を読み取ることができます。有料老人ホームは高額商品なだけでなく、これからのご家族の生活の根幹となるものです。疑問は何度でも納得するまで確認する必要があります。
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