更年期の不眠の症状
誰でもたまに不眠になることはありますが、頻繁に起こり、普段の生活にも支障をきたすようなら、不眠症といえます。
不眠が続くと、昼間疲れやすく、だるさ、頭痛、イライラなどが生じて、思考力やいろいろな能力が低下します。
逆に不眠さえ軽くなれば、ほかの症状もずいぶん楽になることがあります。
更年期に起こる症状のために不眠になることもあります。たとえば、夜、寝入ってから急にのぼせ、寝汗をかいて目が覚めたり、手足が冷えて眠れなくなるなどです。
不眠のタイプ
入眠障害
布団に入ってもなかなか寝つけない、いわゆる寝つきの悪い状態です。不眠の中ではもっとも多いタイプで、悩みや不安、精神的なストレスなどがあると起こりやすくなります。
途中覚醒
睡眠の途中で何度も目覚めて、その後眠りつくのが難しいタイプです。頻尿や体に痛みやかゆみがあるとき、アルコールの摂取、加齢などで起こりますが、うつ病などの心の病気が原因であることも少なくありません。睡眠時無呼吸症候群が原因で起こることもあります。
早朝覚醒
夜明け前に目覚めて眠れなくなってしまいます。高齢者に多くみられますが、うつ病などの初期症状でも早朝覚醒が見られます。
熟睡障害
一定の睡眠時間が確保できているものの、眠りが浅くて眠った気がしません。そのため深深の疲労が取れません。心や体の病気が原因で起こることもあります。
不眠のパターン
不眠の治療
更年期によるものと考えられる場合は、ホルモン補充療法などの治療を行います。
それで不十分なら睡眠薬などの向精神薬を使う場合もあります。
精神疾患として軽い場合は、更年期の治療とともにみてもらえますが、場合によっては精神科受診をすすめられます。
自分でできる不眠の対策
お風呂につかって心身をリラックス
就寝前に、ぬるめのお湯にゆっくりとつかり、体温を少し上げ、心身をリラックスさせると眠りにつきやすくなります。
気にしすぎない、あせらない
眠れないことを気にしすぎると、ますます眠りが妨げられます。横になっているだけででも体は休まると考え、気持ちをゆったり構えると不眠の悪循環から抜け出せることがあります。
ときどき目を休める
眼精疲労が原因の場合は、長時間の読書や仕事の際は、ときどき目を休めるように心がけましょう。遠くを眺めたり、眼球を上下左右に動かしたりぐるっと回すなどの眼球体操をして、疲れをとりましょう。
同じ姿勢を続けない
デスクワークを長時間続けるなど、同じ姿勢のままでいると、首や肩などの筋肉を疲労させて、頭痛の原因になります。ときどき姿勢を変えたり、こまめに休憩を入れましょう。また、足腰の冷えも筋肉をこわばらせ、頭痛の原因になります。冷房による冷えなどに対しても、十分な配慮をしましょう。
不眠が続くときは医師に相談を
布団に入ってもなかなか眠れない、眠らなくてはとあせればあせるほどますます目がさえてくる。ストレスや悩みが増えてくる更年期には、不眠に悩む人が少なくありません。
2,3日の不眠は誰にでも起こるものですが、不眠の状態が2週間以上続いたり、仕事や家事などの日常生活にさしつかえるような場合は、体や心の病気のサインであることが少なくありません。我慢しないで早めに婦人科などに相談しましょう。
睡眠薬について
不眠を改善するには、生活を見直すことが大切ですが、不眠が続くときは、適切に睡眠薬を使ってつらい状態を乗り切ることが必要です。最近の睡眠薬は安全性が高く、副作用もほとんど心配ありませんが、睡眠薬を服用するに当たっては、必ず医師の指示を守って服用しましょう。