スギ花粉症にはつくし(土筆)のエキスが効果的
つくし(土筆)から抽出したエキスに抗アレルギー物質があり、スギ花粉症に効果的であるという報告があります。
日本大学が「つくし」の抗アレルギー効果を調べた結果、アレルゲンであるヒスタミンンやロイコトリエンの遊離を抑える作用があるとのことです。
また、つくしのアルコールエキスには、フラボノイド類やコハク酸などの抗アレルギー成分も多く入っているようです。
つくしを食べれば良いのでしょうが、普通の人は毎日食べ続けるのは難しいでしょう。
そこでこれを発見した日本大学薬学部は徳島県の製薬会社「池田薬草」と共同して、つくしエキス入りの飴を開発し、「つくし飴」として販売しています。
値段は、20粒入り1箱2000円。モニターの報告によると即効性があり、その効果は15分から数時間持続するらしい。
中には、花粉症が治った人もいると言う人もいるらしい。
山田養蜂場でも「つくし飴」を販売しています。
ヒノキ花粉症かもしれないと思ったら!?
スギ花粉の飛散が終わっても花粉症の症状が続く人は、もしかしてヒノキ花粉症にもなっている可能性が高いです。
スギの花粉症が続いているだけと思ってヒノキ花粉症に気付かないままの人も多いようです。
スギ花粉の飛散が終わるころにヒノキ花粉が飛散します。
両方の症状がある人は、結果的により長い間、花粉症で苦しむことになります。
一般的に5月の連休を過ぎても症状が続く人は、スギ花粉症とともにヒノキ花粉症がある可能性が高いと考えられます。
スギ花粉症の約60%が同時にヒノキ花粉アレルギー体質であるという報告が出ています。
スギ花粉の成分「糖蛋白」が原因物質となりますが、スギ花粉とヒノキ花粉の「糖蛋白」の構造が似ています。
そのためスギ花粉に反応する人は、ヒノキ花粉にも反応することが多いようです。
これを共通抗原性といいます。
ヒノキ花粉の飛散量はスギ花粉に比べれば、少ないですが、スギ花粉に反応した状態でヒノキ花粉が飛散するので反応する人が多いのです。
特に近年、ヒノキの植生数がスギの植生数に匹敵しつつあり、今後ヒノキにアレルギー反応を示す人が増えると予想されます。
ブタクサ花粉症になったら!?
夏の終わりごろから秋の時期にかけて鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状が現れる人は、ブタクサによる花粉症が疑われます。
ブタクサはスギ・イネと並んで花粉症の代表と言われています。
よく夏風邪と間違われやすいので注意しましょう。
ブタクサの花粉は、8月から10月にかけて飛散のピークの時期をむかえます。
この時期は、イネ科の花粉の飛散とも重なるのでどの花粉に反応しているのか、検査を受けてアレルゲン(原因物質)をきっちり特定しておく必要があります。
ブタクサ花粉症の対策
治療はスギやヒノキと同様です。
スギほど飛散する量はなく、飛散する距離も短いのでブタクサが生息する地域に近づかないことが一番です。
山や雑草が多く生えている場所には行かないようにしましょう。
ちなみに花粉の飛散距離は数百mと言われています。
基本的な対策はスギと同じです。
まずは極力花粉を体内に取り込まないようにしましょう。
マスクや花粉専用メガネの使用、洗濯物は室内に干すなどします。
花粉症が黄砂で悪化するかも!?
黄砂そのものは砂なのでアレルゲンにはなりません。
でも黄砂が花粉に付いたり、花粉と一緒に黄砂を吸い込むと花粉症が悪化すると言われています。
黄砂が花粉症を悪化
黄砂がアレルギーを引き起こすのではなく、黄砂によってアレルギーが悪化すると考える方が良いかと思います。
スギ花粉は春先に飛散します。
黄砂はゴビ砂漠などで巻き上げられた砂で偏西風が強くなる3~5月に日本により多く飛来してきます。
花粉症と同じような症状が現れるので花粉症と思うでしょうが、黄砂の飛来と同じタイミングでアレルギー症状が出るなら黄砂が影響している可能性があります。
花粉は黄砂と結びつくとさらに細かな物質に変化すると言います。
そして黄砂は花粉症単独の症状をさら悪化させる作用があると考えられています。
また気管支ぜんそくなどのアレルギー症状を悪化させたり、長期化させるという報告があります。
スギ花粉と黄砂の混合物は、スギ花粉だけの場合より激しい炎症が起きたという実験の結果が出ています。
花粉症を引き起こす原因物質の量が増えて強いアレルギー炎症が起こるのです。
特に中国の工業地帯を通過した黄砂は、大気汚染物質が付着した状態で飛来してくるのでたちが悪いのです。
同様にPM2.5も花粉症の症状を悪化させます。
黄砂の正体
黄砂は、中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などの乾燥地帯から日本に向かって吹く偏西風によって運ばれてくる砂漠の砂塵です。
日本では主に3月から5月に観測される現象。
快晴なのに空が霞んで見え、白い粉のようなものが車のボンネットなどに積もっていれば、それが黄砂です。
黄砂は、昔からある自然現象ですが、近年、中国の産業の発展で車の排気ガスや工場などから排出される有害物質、PM2.5などの有害物質が黄砂に付着するとそれ自体がアレルギーの原因となってしまいます。
花粉と大きさを比べると黄砂やPM2.5は粒子が非常に細かいのが特徴。
黄砂とスギ花粉のサイズ比較
スギ花粉 30μm (0.03mm)
黄砂 4μm (0.004mm)
PM2.5 2.5μm
DEP 0.5μm (DEP:ディーゼル排気粒子)
花粉症が悪化しないための対策
黄砂も花粉もマスクやめがねなどで体内への侵入を防ぐのが一番の予防です。
メガネは花粉症専用のメガネが必要です。
黄砂は粒子が細かいので花粉症用のマスクでは通してしまうので意味がありません。
PM2.5対応の目の細かいマスクを用意しましょう。
そして黄砂の予報をチェックして飛来が多い日は、極力、外出は控えましょう。
また洗濯物は屋外に干さない、外出から帰ったら玄関の外で衣服を払うなどして室内に持ち込まないように注意しましょう。
室内では出来るだけ窓は開けず、空気清浄機を最大限に活用しましょう。