男性の更年期の症状
男性の更年期障害の症状は、大きく3つに分けられます。
体の変化
体力がなくなり粘りがきかない、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛、ほてり、発汗、寝汗、髪の毛が薄くなるなど。年齢的に体重が増えて、生活習慣病を起こしやすくなります。
心の不調
うつ症状、自信喪失、不安、恐れ、不眠、人生の目的の喪失感、孤独感、集中力の欠如など。
男性の更年期は、うつ症状が非常に多くみられるのが特徴です。イライラや憂うつのほかにも、職場での孤立、評価されないといった「気分の障害」に陥りやすくなります。
男性の更年期の自殺率は女性の3倍と言われていますが、その背景には男性は女性のように人に気やすく悩みを打ち明けず、ひとりで抱え込む傾向が多いことがあげられます。それがうつを助長します。また、自分がうつであることに気がついていないことも問題。そのため専門家の治療を受けていない人が多く、病気の悪化や長期化をまねくケースが増えています。
性的な変化
性欲の減退、勃起障害、勃起硬度の減弱や持続時間が短いなど。
男性と女性の大きな違いは、女性の更年期が急激な女性ホルモンの低下による身体面の変調から始まり、精神面の変調へと進んでいくのに対し、男性の場合は、うつなどの精神面の変調から始まり、身体面の変調へと進んでいくことです。
憂うつや不安といった「気分の障害」は、同時に性欲減退や勃起障害などの症状をともなうことが多く、このような性機能の低下が生活意欲の減退や自信喪失、憂うつ感を深めるという悪循環を生み出します。
生活習慣を見直し、食事内容にも気をつけて
加齢にともなう体力の低下に加えて、遠距離通勤、深夜帰宅、外食、喫煙、アルコール・・・、このような日々が続くとビタミン不足になり更年期の症状を重くします。健康を維持するには、睡眠不足や過労を避け、食事内容に気をつけることが第一。とくに性機能を守るためには生活習慣病を予防する食事を心がけます。また、ウォーキングなどの有酸素運動も自律神経を整え、性ホルモンの分泌を促します。
男性の更年期の理解を示し、不用意なひとことに注意して
男性の更年期は、女性の「閉経」のようなはっきりしたサインがないため見逃されがちです。家族が変化に気づいて理解してあげることが大切です。最近「怒りっぽくなった」「やる気がなさそう」なのは更年期のせいかもしれません。そんなときはつらさを理解して、家庭ではゆっくり休ませてあげましょう。この時期は夫婦でお互いに体や心の変化を認め合うことが大切です。