腰痛の重症度に合わせた正しい体操

腰痛のほとんどは、運動不足と老化が原因です。老化は、防ぎようがありませんが、運動することによって、筋や腱が強化され、老化の進行をある程度は遅らせることができます。
体を動かすことは、腰痛の予防にたいへん有効ですが、単なる予防にとどまらず、治療法の1つとして広く活用されています。

痛いからといって、ただ安静にしているよりも、適度に体を動かしたほうが、かえって治りが早いです。

腰痛を治療する体操

1.腹式呼吸

膝を立ててあおむけに寝て、両手をほおにつけます。この状態で腹式呼吸をします。
まず鼻からゆっくり十分に息を吸い、口からゆっくり吐き出します。深く息を吐き出すときは、全身の筋肉が自然にゆるんできますから、これだでも筋肉の緊張がとれるものです。この腹式呼吸を体操の前に5~6回、体操の後に5~6回行います。

2.上体起こし(腹筋の強化)

膝を立ててあおむけに寝ている姿勢から、ゆっくり上体を起こし、肩が床から25cmぐらい離れたところで、5秒ぐらいこの姿勢を保ちます。元の姿勢に戻るときも同じぐらいの時間をかけ、ゆっくり行います。

3.両膝かかえ込み(背筋を伸ばす)

あおむけに寝た状態で、膝関節と股関節を曲げ、右手で右の膝、左手で左の膝をかかえます。この姿勢から、できるだけ股関節を広げ、膝頭をわきの下のほうへ引き寄せます。この体操をすると、縮んでいた背中の筋肉が伸びます。

4.腰ねじり(腰筋の緊張をほぐす)

あおむけに寝た状態で、片方の足をもう一方の足の上に交差させます。左右繰り返しますが、特に腰の片側が痛むときは、痛む側の足を主に交差させるようにします。

腰痛の再発を予防する体操

腰痛を予防するためには、日ごろから筋肉や関節がスムーズに動くようにするとともに、筋力を強めておかなければなりません。普段、運動をしていない方は無理せずに少しずつ行いましょう。

1.縮んだ筋肉を伸ばす

両手を頭から頭上に引き上げながら、ゆっくり鼻から胸いっぱいに息を吸い、手を横におろしながらゆっくり口から息を吐き出します。トレーニングの最初と最後に5~6回ずつ、この胸式呼吸を行いましょう。

2.アキレス腱を伸ばす

片足を後ろに引いて伸ばし、前足の膝を曲げ、壁に両手を当てて、腕立て伏せの要領で壁を5秒ほど押し付けます。このとき後ろ足を十分に伸ばすと、アキレス腱も伸び、腰痛予防に役立ちます。

3.下半身の筋肉を強化

おなかと肛門の筋肉を縮め、あごを引いて上体をまっすぐにし、30cmぐらい足を開き腰を落とします。5秒ほど静止したらゆっくり元に戻します。この体操で下半身のほとんどの筋肉が強化されます。

4.殿筋と腹筋の強化

イスに腰かけて両足を開き、おなかとおしりの筋肉を縮め、背中を丸めてへそをのぞくようにします。簡単な動作ですが、これで骨盤が回り、おしりの筋肉とおなかの筋肉が強化されます。

5.腹筋の強化

膝を立ててあおむけになり、両腕を伸ばしてバンザイのように頭上に上げます。最初は反動をつけて起き、手で足首をつかむぐらいまで起き上がったら、ゆっくり元に戻します。慣れたら、反動をつけずにゆっくり起き上がると、いっそう腹筋強化に役立ちます。

6.殿筋と腹筋の強化

うつぶせになり、腕を体の横に添えます。胸を張って肩甲骨を背中のほうに寄せ、上体をゆっくりそらし、5秒ほど静止して、ゆっくり元に戻します。これができるようになったら、上体といっしょに両足を持ち上げると、殿筋と腰筋の強化に役立ちます。

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