鉄のはたらき
体の中の鉄は、そのほとんどが血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンという成分になっています。
このヘモグロビンは、呼吸でとり込んだ酸素と結びつき、酸素を肺から体のすみずみまで運ぶという重要な働きをしています。
通常の食品からでは、とり過ぎの心配はありません。
女性は月経による出血や妊娠・出産によって鉄が失われるので男性よりたくさん必要です。
鉄が不足すると、赤血球をつくる材料がないため鉄欠乏性の貧血になるおそれがあります。
貧血では酸素を十分に運べないので体が酸素不足になり、頭痛がしたり、すぐ疲れたりといった症状がでます。
また、心臓はこれを補ってフル回転するので、どうき・息切れをしやすくなります。
成人女性の5人に1人が貧血状態にあり、そのうち80~90%が鉄欠乏性貧血であるといわれます。
鉄が豊富に含まれる食材
レバー、魚、貝、大豆、緑黄色野菜、海草、牛肉など
鉄の摂取方法・摂取量
食品中の鉄には、肉、魚、レバーなどに含まれるヘム鉄と、野菜、海草、大豆など植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります。
ヘム鉄の方が非ヘム鉄より吸収がよいのですが、国民栄養調査によると私たちの口に入る鉄は、非ヘム鉄からの方が多いようです。
非ヘム鉄の吸収効率は、ビタミンCや食肉などといっしょにとることで良くなることが知られています。
このことをふまえ、ひとつの食品に偏らず、日々の食生活の中でいろいろな食品から鉄をとることが大切です。
鉄をとるとき、ビタミンCを一緒にとるとより効果を発揮します。ビタミンCは腸管での鉄の吸収をおよそ4倍に高めます。
また鉄が十分にあっても、銅がなければうまくヘモグロビンがつくれないため、ヘモグロビンの数が減ったり、赤血球が小さくなるために貧血になってしまいます。
サプリメントによる多量の鉄は有害となるので取りすぎには注意!
成人男性所要量:10mg (許容上限摂取量:40mg )
成人女性所要量:12mg