腰痛の原因を知ることが治療の近道

腰痛を改善するためにはその原因を突き止めることがまず第一です。
症状などから自分に心当たりがある原因を考えてみましょう。

椎間板の老化が原因の腰痛

椎間板は中央に髄核があり、その周りを線維輪という輪状の軟骨がとり巻いています。
椎間板は弾力に富んだ線維輪の組織と、髄核の水分とがクッション効果を発揮しています。
ところが20才を過ぎるころから水分を失い始め、30才以降になると繊維輪からも水分が少なくなっていきます。
椎間板は早くから老化して弾力を失います。
そのためクッション効果が薄れ、腰への衝撃を緩和できなくなり、痛みも生じやすくなります。

筋力の低下が原因の腰痛

筋肉は、伸張や収縮することで関節の曲げ伸ばしに関係するほか、脊柱を安定させるうえでも重要な働きをしています。脊柱がまっすぐ立っていられるのは、その周りに筋肉があるからなのです。脊柱の両側にある脊柱起立筋、腰の奥のほうにある腰方形筋、おなか側にある服直筋、外腹斜筋、内腹斜筋などが脊柱の安定に関係しています。
これらの筋肉が弱まれば、腰痛の原因になります。
歩くことが少なくなってしまった現代社会では筋力低下を引き起こしやすくなります。

腰痛を引き起こす要因

・腰を使う仕事

腰痛は腰にかかる負担が増大すればするほど起こる可能性も高くなります。
腰をかがめてする農作業や重い荷物を持つような重労働、また家庭でも洗濯や掃除など腰に負担のかかるような仕事は腰痛を引き起こしやすくなります。

・姿勢が原因で腰痛に

立っているときより座っている方が腰に負担がかかります。
筋力の弱った人にとっては、いすに座ったままの状態が続くと腰への負担がかなり大きくなります。特に悪い姿勢で座っている方が椎間板への圧力が高くなります。

・太りすぎも腰痛を助長

太った人はたいていおなかの突き出た姿勢をしています。おなかを突き出した姿勢だと、重心は前のほうにあります。そこで姿勢を安定させようとして、上半身が後ろにそる状態になります。この状態は腰にたいへんな負担がかかります。
また重い体重を支える筋力を持ち合わせていない場合は、より腰への負担が増えます。

・妊娠すると腰痛にかかりやすく

妊娠や出産が腰痛の原因になることもあります。妊娠すると、おなかがせり出してきて、ちょうど肥満の人と同じような姿勢になり、腰を痛めることがあります。
また妊娠すると骨盤がゆるみ、これも腰痛の原因になります。

「心」が原因の腰痛

腰痛症には心因性のものが原因の場合があります。痛みはあるのにレントゲン撮影などでは、症状が見えない腰痛です。
これは主にストレスが原因で、現実から逃避したいとう欲求が腰痛となってあらわれてくることがあります。

消化器系の病気が原因の腰痛

胃、腸、すい臓などが悪いために腰痛になることがあります。また、便秘が原因のこともあります。

尿路系の病気が原因の腰痛

腎臓、膀胱、尿管などの病気は腰痛を起こしやすく、特に結石は激痛を引き起こすことが多いです。

婦人科の病気が原因の腰痛

卵巣や子宮などの腫瘍、子宮内膜症、付属器炎など婦人科の病気は腰痛を伴うものが多いです。ほかに発熱や不正出血でも見られます。病気ではありませんが、生理の始まる前や生理中に腰痛の出る人もいます。このような人は生理不順になることが多く、下半身を冷やすと腰痛がひどくなりやすいです。

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