つわりは出産までの長い道のりの第一関門。つわりのひどい時の食事や
つわりを乗り越えた後の食事について考えてみましょう。
妊娠初期-量より質の食生活
つわり対策が第一ポイント。食べ物のにおいがダメ、料理するのもイヤ、
というときは無理して食べず、口当たりのいいものや食べられるものを。
つわりがおさまってきたら、食生活の見直しをするのが第二のポイント。
1日3食をきちんと食べる、栄養バランスを考える、食べ過ぎないといったことに注意しましょう。
この時期は、量を多くするのではなく、食事の質をグレードアップさせることを心がけます。
バランスのよい食事を
おなかの赤ちゃんは、必要な栄養素をママの血液から補給しています。
ですから、つわりの間は別として、ママがバランスのよい食事をとらないと、
赤ちゃんの栄養バランスも悪くなります。
栄養の基本は、たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルなどをまんべんなくとること。
なかでもたんぱく質、ビタミン、カルシウム、鉄分は多めにとるように心がけましょう。
目標は1日30品目
栄養バランスをみる目安として便利なのが、「1日30品目以上」。
これは、1日30品目以上の食品をとっていれば栄養バランスもとれているということです。
調味料も1品と数えます。朝、昼、夜と3回砂糖を使っても1品目と数えます。
この方法だと、楽しみながらメニューづくりもできそうです。ただし、薄味、減塩を心がけましょう。
妊娠中期以降-カルシウム、鉄分、ビタミンの補給を
赤ちゃんの骨を形成するカルシウムが、日本人には不足がちです。
妊娠すると妊娠前の1.8倍は摂取しなければなりませんから、いつもの2倍は摂るつもりで。
もっとも効率のいいのは牛乳や乳製品。お茶やコーヒーのかわりに牛乳を飲みましょう。
料理の水溶きを牛乳にしたり、デザートのフルーツにヨーグルトをかけたりと、
いろいろ工夫して乳製品を摂るようにしましょう。
次に、鉄分は血液中のヘモグロビンをつくり、酸素を運ぶ重要なミネラル。
不足すると赤ちゃんの発育が悪くなり、ママは貧血になってしまいます。
鉄分は、レバー、海草、貝類、ほうれん草などに多く含まれビタミンA、Cと一緒に摂取すると効果的です。
忘れてならないのがビタミン類。野菜や果物もいろいろなものを摂るようにします。
白、青、赤、黄とあらゆる色のものを食べるように心がけることがポイントです。
ビタミンはとてもデリケートな栄養素で、ビタミンB、Cは水に溶けやすく、B1、C、Dは
熱に弱いという特徴を覚えておき、調理の仕方を工夫しましょう。
妊娠後期-食事回数を増やして、少しずつの食事
この時期は十分な体力を蓄えたいもの。
とは言うものの胃は子宮に押し上げられていますから、
一度に食べられる量はいつもより減るのが普通。
そんな時は無理に食べようとせず、食事回数を増やして、少しずつ食べましょう。
食卓には5、6回座るようになりますが、トータルで1日の必要量(2150kcal)を満たせば良いです。
いよいよ臨月ともなれば赤ちゃんは下がってきますから、胃はずいぶん楽になるはず。
こうなれば普段通り、朝・昼・夕の食事パターンに戻れます。
「栄養価の高いものをバランスよく食べる」、これは、妊娠初期・中期・後期を通して変わりません。
鉄分は多めに
とくに鉄分はこの時期の赤ちゃんの体作りに欠かせないもの。
もちろんママにとっても貧血は大敵。
出産のときの出血に備えて、「これでもか」というくらいに
ほうれん草やレバー、ひじき、貝類などを食べておきましょう。
鉄分は動物性たんぱく質やビタミンCと一緒にとると吸収がよくなります。