更年期の頻尿・残尿感の原因・症状
更年期以降になると、さっきトイレに行ったのに、また行きたくなったということがよく起こります。
このようにひんぱんに尿意を感じてトイレが近くなることを頻尿といいますが、特に冷え性の人に多くみられます。
これは、皮膚の老化と同様に、膀胱や尿道の粘膜も加齢とともに萎縮したり薄くなるため少ない尿量でも尿意を感じやすくなります。
トイレが近いというだけなら、心配はいりません。しかし、頻尿に加えて排尿痛や残尿感がある場合は膀胱炎が疑われますので、泌尿器科を受診しましょう。
更年期の頻尿・残尿感の治療
頻尿だけなら治療の必要はありませんが、たびたび睡眠が中断されて十分に眠れなかったり、外出もままならないような場合には、薬を使って、尿意を察知する膀胱筋肉の過敏な働きを抑えることもあります。
また、尿道の粘膜が薄くなってくると、簡単に細菌が進入して感染症を起こします。これが膀胱炎です。
膀胱炎の治療としては、抗生物質を服用し、繰り返し起こるときは、ホルモン補充療法や漢方薬による治療が行われることもあります。症状がなくなっても、細菌が死滅したとは限らないので、再発を繰り返さないためには、途中で通院をやめないことが大切です。
自分でできる更年期の頻尿・残尿感の対策
外出前は水分摂取を控えめに
何度もトイレに行くことにならないよう、外出前の水分摂取を少し控えてみましょう。いつ尿意が起こるか心配ばかりしていると、心因性の頻尿症になることもありますので、神経質に考えすぎないようにしましょう。
対策を立てておく
外出の際は、尿意を感じてトイレに立ち寄ることを覚悟の上で、時間的に余裕のあるスケジュールを立てておくようにします。さらに、駅のどこにトイレがあるかを知っておくなど、いざというときのための対策を立てておくだけでも、安心感につながり、そのことで頻尿にならずにすんだりします。
トイレを我慢しない
膀胱炎になると排尿感があるため水分を控えたりトイレを我慢しがちです。しかし、むしろお茶など温かい飲み物を多めにとって、頻繁に排尿したほうが尿道内の菌の排出のためにもよいとされています。長時間、尿をためると、膀胱内の菌が繁殖して、症状を悪化させることにもなります。尿意を我慢しないこと。これは予防のためにも必要なことです。