ジュエリーや日用品に使われている金属が、皮膚に接触することでアレルギー反応を起こすことがあります。
金属アレルギーの症状
一般的な症状は、金属が接触した部分にかゆみや湿疹が起こります。
皮膚がかぶれたり、肌が赤くなり、やがてかゆみや痛みを感じるようになります。
これを局所性金属アレルギーと言います。
歯に入れた金属によって口腔内に症状が出ることもあります。
この場合、口の粘膜が荒れたり、舌にまだら模様や白い苔のようなものができたりします。
一方、全身に水泡や湿疹、蕁麻疹の症状が広がる場合があります。
全身性金属アレルギーと呼び、体内に入った金属が全身の症状となって表れるタイプの金属アレルギーで原因の特定が難しいケースが多いです。
一度、特定の金属に反応してしまうと、また肌に接触するとアレルギー症状が出ますので注意しましょう。
原因
汗や体液で金属が溶けて体内に入り、アレルゲンとなります。
そして同じ金属が接触すると拒絶反応を起こし、 アレルギー性接触皮膚炎などの症状が発症するのです。
金属アレルギーは、原因となる金属が体内に入り込んでアレルゲンの形になっても即座に発症することは少なく、多くの場合、5年以上の年月をかけて皮膚に高い濃度で排出されたときに初めて症状となって現れるのです。
歯に入れた金属もすぐに発症することなく、数ヶ月たってから、かゆみ、かぶれなどが発症することもあります。
口の中の金属が唾液や口腔内の酸性状態が続いたり、噛み合わせやガルバニー電流が生じることでイオン化し、体内に侵入していきます。
そのほとんどは、便として体外に排出されますが、何%かは腸から体内に吸収され、その一部は、汗として排出されるのです。
それが手や足にアレルギーに症状として現れます。
手のひらや足のうらは、汗腺が多い場所なので全身性金属アレルギーが起こりやすいのです。
金属アレルギーの症状が出ていないのにパッチテストで「陽性」という結果が出ることがあります。
体内の金属はまだ発症に必要な濃度に達していないのです。
溶け出しやすい金属かどうかでアレルギーを起こしやすさが変わります。
コバルトやニッケルなどの低品度とされる金属ほど起こしやすいとされています。
ニッケル⇒コバルト⇒クロム⇒亜鉛⇒マンガン⇒胴⇒銀⇒プラチナ⇒金⇒チタンの順で金属アレルギーを起こしやすくなります。
対策
金属が接触する部分に皮膚炎が起こるだけなら、その金属を触れないようにするだけで治ることが多いです。
原因の金属に触れないようにしていれば、改善し、その金属に接触したとしても問題が起きないことが多くなります。
虫歯の治療に使う金属、特にインプラントに使う金属の種類は重要です。
現在、「チタン」による金属アレルギーの報告はありません。
チタンは体に親和性のある金属と言えます。
人工関節などにも使う金属で金属アレルギーが起こりにくいです。
体力が落ちているとアレルギー反応が出やすくなります。健康的な生活を心がけましょう。