喘息の原因・発症率・死亡率・検査方法

喘息は一般的には気管支喘息のことを指します。
東洋医学では哮喘と現されています。
(哮は発作性の喘鳴を伴う呼吸疾患。喘は保迫するが喘鳴は伴わない呼吸疾患。
双方は同時に見られることが多いため、はっきりとは区別しにくい。気機(昇降出入)の失調で起こる)

気管支喘息(きかんしぜんそく、Bronchial Asthma)

アレルギー反応や細菌・ウイルス感染などが発端となった気管支の炎症が慢性化することで気道過敏性が進み、可逆性の気道狭窄をおこし、発作的に狭い気管を通る空気によって作られる口笛のような高い音をだします。
さらに咳などの症状をきたす呼吸器疾患です。
喘息発作時にはこれらの症状が特に激しくあらわれ、死(喘息死)に至ることもあります。

なお、うっ血性心不全により喘鳴、呼吸困難といった気管支喘息類似の症状がみられることがあり、そのような場合を心臓喘息と呼ぶことがありますが、気管支喘息とは異なる病態です。

喘息はヒューヒュー、ぜーぜーと笛がなるような呼吸の音がするのが特徴で夜中や明け方に咳き込むことがあります。
発作的に、呼吸の音が発生し、当然ながら息苦しさを感じます。
これが喘息(ぜんそく)と呼ばれる症状です。

ただ、日中は平然としている方が多く、夜中の息苦しい状態と比較するととても不安に感じる方が多いものす。

当人に言わせると、喘息の発作と苦しさは経験した人にしかわからないと言います。

喘息の種類

喘息の発作がくり返し起こる病気を気管支喘息といいます。
通常、これが喘息と呼ばれています。

ただし、心臓の疾患が原因で起こる喘息もあり、これを心臓喘息と呼び、
小児での喘息様気管支炎や高齢者によくある病気で肺血腫、慢性気管支炎などが原因で気管支から音があるという場合とは区別されます。

さらに、発作がなく、咳だけがでる喘息は咳喘息と呼ばれます。

小児喘息の原因

小児喘息の場合は、喘息になる前の段階で、
よく乳児湿疹アトピー性皮膚炎になることがあります。
それから風邪をひきやすくなり、呼吸音が聞こえるようになります。
それで、アトピー性皮膚炎の子供が小児喘息と診断されるケースが多いようです。

遺伝的な要因

遺伝的な要因も考えられます。
家族の中にアレルギー性皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎などアレルギー体質の人がいる場合、小児喘息のお子様が出てくる頻度が高い傾向があります。
近年は、小児喘息の低年齢化が進み、乳幼児期に喘息を発病してしまう子供が増加している傾向もあります。

小児喘息は、成長するにつれて薬を一切使わなくても長期的に発作が出なくなる状態になることはよくありますが、中学、高校生になっても小児喘息が治ることがなく、
思春期喘息というものに移行してしまうケースも増加しています。

成人喘息の発病の原因

  • 小児喘息、思春期喘息を経験して、成人になっても継続して喘息を持っているというケース
  • 小児喘息が治って、成人期に再発してしまったというケース
  • 成人になってから、まさしく突然、発症してしまったというケース

患者数をみても小児ぜんそくより成人ぜんそくの方が多いことは明白です。
成人ぜんそくでは、非アトピー型である場合も少なくはないのです。

つまりは、アレルゲンなどといった特定の原因ではなく、かぜなどを原因として突然発症することがあります。
また、今までぜんそくにかかったことはない方が、大人になってはじめて発症してしまうこともあります。

ということは、今までにアレルギー体質と診断されたことがない方でも環境の変化などを原因として、発症してしまうケースがあるということですね。
「自分は大丈夫」と思っている人ほど病院で診療を受けないようなので知らぬまにどんどん症状が悪化してしまうことがあるようです。
気になる点があるときは、自分で判断せずに時間をつくって少しでも早めに受診したほうがよいと思われます。

突然発症してしまったというケースの方々は、ほとんどが「風邪が治らない」や「風邪がもとで発症した」と、風邪が原因となっています。

過労ストレスが原因となっているケースも多くあります。
成人ぜんそくを発症することが多いとされる年齢層は、40代~60代です。
このくらいの年齢になってくると子供の教育費などのお金の問題や仕事での重役の責任、両親の介護の心配などなど過労やストレスに悩まされることが増えてくるようです。

当然ながら、ストレスは体に良いものではなく、さまざまな悪影響をカラダに及ぼしてしまいます。
自律神経の働きが乱れたり、ホルモンバランスが崩れたり、ぜんそくも発症しやすくなってしまうようです。
加齢からくる免疫力の低下などにより、かぜをひいてしまうこともぜんそくの要因になっているといえるでしょう。

また、仕事が忙しいためか、なかなか治療に行くことができず、ストレスが溜まり、発作を繰り返す状態になってしまうこともあります。
こうなるとぜんそくは慢性化してしまうことになり、なかなかよくはならないものです。

複合的な原因

喘息の原因をひとつに絞ることは、難しいものです。
体質、環境、生育歴、疲労、または後天的なカラダ作りの努力などが複合的に関連して起きることが多いからです。
ひとつの考えられるポイントだけに注目しているだけでは、治すことは難しいかもしれません。

まずは、喘息の原因を複合的、総合的に把握することから始めましょう。
ただし、いろいろある喘息の種類ですが、気管支喘息を起こす体質が存在したことは根本原因であることを否定することは難しいです。

逆に、喘息になろうとしてもなれない体質の人もいるということです。
喘息を起こしてしまう可能性のある遺伝子や先天的な要因があればこそ、喘息は発症するといえます。
ただ体質や先天的な要因を持ちつつ、喘息を発症していない方もたくさんいます。

喘息の体質があり、発症したのであれば、治ることはないのでしょうか?
体質は同じでも、喘息を発病しない人はたくさんいます。
当然、同じ体質ではあっても、よくなり、治った人も多くいます。

最重要な要因

体質以上に後天的な環境要因が重要です。
世界でも、日本でも、喘息の患者が増加していますが、
喘息を起こしやすい体質や遺伝子を持つ方が増加したわけではありません。
環境の変化で、発症する人が、世界中で増加しているということです。

  • 高気密、高断熱型住宅によってダニが増加
  • ペット、観葉植物の室内への持ち込みによるアレルゲンの増加
  • 室内空気の汚染
  • 大気汚染の深刻化
  • 食品などへの薬品使用
  • 寄生虫の減少
  • 増加するストレス

これらの環境要因が悪化したり、変化したりしていることが、喘息患者の増加の原因となっています。
当然、環境を改善することができれば、喘息や発作が少ない状態に戻れるといえます。

喘息で息苦しくなる原因は!?

息苦しさはどうして起きる?
肺気腫、慢性気管支炎や気管支ぜん息など慢性の呼吸器疾患の人ばかりでなく、
実に多くの方々が呼吸困難感、つまり息苦しさを感じています。

この息苦しさがどうして起きるのかには、さまざまな説がありますが、
そのひとつに、次のような考え方があります。

普段、呼吸筋は脳からの指令によって活動し息を吸ったり、吐いたりしています。
健全な状態にある呼吸筋は、脳の指令を的確に受け止め、
また的確な情報を脳に送り返すのが仕事です。

息を吸うときには吸うときに必要な筋肉(呼吸筋)が働き、同時に吸っているという情報が送り返され、
反対に吐くときには、吐くときに必要な筋肉(呼吸筋)が働き、同時に吐いているという情報が送り返されます。

しかし、この呼吸筋が不健全な状態にあると脳の指令を的確に受け止めることができず、 息を吸っているのにもかかわらず、息を「吐いている」という情報が脳に送り返されてしまったり、反対に息を吐いているのに「吸っている」という情報が届けられてしまったりします。

呼吸困難感、すなわち息苦しさというのは、この脳と呼吸筋がミスマッチしているときに起こると考えられています。

喘息が発症する割合?

世界の喘息の発症率

世界保健機構は「世界のあらゆる地域において喘息の有病率が
上昇しているのは事実である」ということで、
70億人という世界人口の中で喘息患者が1億人を越えたという発表がありました。

その中でも小児喘息の有病率の増加が目立つとされています。
発表では「西太平洋地域のカロライン諸島では小児喘息が50%以上」としています。
またアフリカの10カ国から集められたデータでは、
学童期における喘息の有病率は2~5%

医学が進んでいるアメリカでさえも、「小児喘息患者の年間欠席日数はのべ1千万日にのぼり、
これによって失われる両親の社会的な損失は十億米ドル近くにまでなる」
との報告があり、病気として、世界的に大きな問題とされています。

日本の喘息の発症率

当然、日本でも小児喘息患者の数は増加しています。
喘息の総患者数では100万人以上と推測されていて、
人口の約1%が医療機関の診察をうけています。
疫学的な調査では、日本の人口の約3%が喘息患者であるといったデータもあり、
この研究結果は一般的に認められています。

調査により幅がありますが、小児も成人も喘息患者は増加傾向にあるということです。

喘息の定義

気管支喘息は好酸球などが関係する気管支の炎症性疾患と定義されています。

小児気管支喘息の定義

「発作症に笛性喘鳴を伴う呼吸困難をくりかえす疾病であり、
発生した呼吸困難は自然ないし治療により軽快、治癒する。」

その病理像は気道の粘膜、筋層にわたる可逆性の狭窄性病変と持続性の炎症からなるものと考えられています。
臨床的には、類似症状を示す肺・心臓・血管系の疾患を除外する必要があります。

成人気管支喘息の定義

気管支喘息は広範かつ種々の程度の気道の炎症により特徴づけられます。
喘息の定義は「気道の炎症と種々の程度の気流制限により特徴づけられ、発作性の咳、喘鳴、および呼吸困難を示す。気流制限は軽度のものから致死的な高度のものまで存在し、自然に、または治療により少なくとも部分的には可逆的である。」(喘息予防・管理のガイドライン)

気道炎症はリンパ球、肥満細胞、好酸球など多くの炎症細胞が関与し、
気道粘膜上皮の損傷を示し、種々の刺激に対する気道の反応性亢進を伴います。

これらの定義でわかるように、これまでの喘息の定義というものは、
気道の狭窄や閉塞、気管支の反応性亢進や気道過敏症をいう特徴が重視されていたのですが、
新しくその根本に気道の炎症があるという考え方が追加されています。

喘息は本当に治る病気なの!?

喘息は治る病気かコントロールするだけの病気か

喘息の患者さんやその家族にとっての重要な問題は、喘息は回復する病気なのかということでしょう。
治るのかコントロールするだけの病気なのかということです。

国際基準などには治癒の見込めない疾患であるとありますが、
最近では、ステロイドの吸入を減量・中止しても大丈夫という報告もあります。

※ステロイド吸入薬は気道の炎症を抑制して、喘息の症状を改善させることはできますが、
完治させることができるというものではありません。

成人喘息について

日本アレルギー学会のガイドラインには
『気管支喘息は原因不明の体質的な疾患であり、病因の除去による疾患の治癒を目指すことは困難である。現状で到達しうると考えられる治療は、気道過敏性を亢進させる気道炎症の原因の回避、除去、気道収縮を誘発する刺激の回避・除去、そして、薬物療法で気道過敏性を抑制し、気道収縮を緩解し、日常生活とできれば呼吸機能を正常化することである。』
と記載されています。

自然に良くなることも

ガイドラインなどには、喘息は原因不明の体質的な疾患であり、
病因の除去による疾患の治癒を目指すことは困難であるとありますが、
自然に良くなり、治っているという事実もあります。

小児喘息の子供が成長するにつれて、50%くらいが寛解します。
(寛解:症状が一時的に軽くなったり,消えたりした状態。
このまま治る可能性もあります。場合によっては再発することも。)

重症の小児喘息の子供で6~7割、一般の小児喘息では8割が寛解するとの報告があります。

小児喘息が一度寛解して、成人になってから再発する可能性は、15%~30%ぐらい。

喘息で死亡する割合はどのぐらい!?

喘息は死亡する危険がある病気、または死ぬ可能性のある病気と定義されています。

喘息の死亡数

日本での喘息の死亡数は1990年代では5,000人以上ありました。
2000年以降は徐々に減少し、現在では2,000人程度になっています。

喘息死亡者数は吸入ステロイド薬の普及ともに減少しており、
喘息死亡者数を減らすためには吸入ステロイド薬の普及が必要とされています。

喘息の死亡率

近年の日本での喘息による死亡率は人口10万人あたり、1995年には5.8人と最も多く、2000年には3.6人、2004年には2.6人と減少傾向にあります。

5~34歳の年齢階級喘息死亡率は、1995年には10 万人当たり0.7 人でしたが、1996年以降減少し始め2001年には0.3人にまで減少しています。

成人の死亡者の90%近くが60歳以上の高齢者となっています。
死亡者の約半数は、重度の発作を軽い発作だと思い、適切な治療が遅れたためであるようです。

喘息かどうか診断する方法は!?

成人喘息の診断の目安は

  1. 発作性の呼吸困難、喘鳴、咳の反復。 安静時にも出現し、寛解時に消失
  2. 可逆性気道閉塞 自然、または治療によって寛解
  3. 気道過敏性 アセチルコリン、メサコリン、ヒスタミンなどに対する気道が収縮する反応の亢進で示される
  4. アトピー素因 環境アレルゲンに対する抗体の存在
  5. これらの症状が器質的肺疾患によらない
  6. 気道炎症の存在

の6つとされています。

「発作性の呼吸困難、喘鳴、咳の反復。 安静時にも出現し、寛解時に消失。可逆性気道閉塞 自然、または治療によって寛解します。これらの症状が器質的肺疾患によらない。」
が当てはまると喘息という診断がなされます。

さらに、
「アトピー素因 環境アレルゲンにたいする抗体の存在」が当てはまると、
その喘息はアトピー型であるとされて、逆に当てはまらない場合は、
非アトピー型と言うように分類されています。

重症度の分類

成人喘息の重症度分類は、日本アレルギー学会の「重症度判定委員会基準」が使用され、
重症度の判定は、直近の1年間において、発作がもっともひどかった4週間をみて判定します。

喘息の検査方法は!?

喘息の検査は、大きく4つに分類できます。

  1. 気管支喘息かどうかを調べる
  2. 喘息の程度を調べる
  3. 喘息の原因や病型を調べる
  4. その他の検査

胸部レントゲン写真

喘息は呼吸器の病気ですので、最初に胸部のX線写真を撮影します。
X線写真で肺炎や肺結核、肺がんなどがないかをチェックするため。
X線写真は正面と側面から撮影します。

喘息の人は気管支がせまくなっているため、肺が過膨張している状態にあることが多いです。
空気を吐き出すことが困難で、肺に空気が残り、横隔膜が下に押し下げられ、心臓が圧迫されます。
そこで、心陰影が補足なり、水滴が落ちるときのような形に見えることもあります。

肺気腫と紛らわしい胸部写真とされてしまうケースがありますが、
喘息の方は気管支が細く、さらに狭くなっているため、肺胞が過膨張になっているのです。

肺気腫は、肺胞の壁が壊れていて、肺胞の数が少なくなっています。
タバコをたくさん吸っている、もしくは吸っていた人は、
肺胞が壊れて肺気腫になっていることが多いですが、
胸部レントゲン写真でも、タバコを吸わなかった喘息の人は、
肺気腫に至っていないというのが、通常です。

タバコを吸っていなければ、ほとんどの人が喘息だけだといえます。
タバコをたくさん吸った喘息の人は、肺気腫の変化が合併している可能性があります。
喘息なのにタバコを止めなければ、肺気腫に向かうということです。

心電図

心不全や心臓喘息、不整脈、もしくは虚血性心疾患がないかを
調べる目的で心電図が活用されます。
喘息発作が重症化したり、喘息が慢性化してくることで、
肺からの影響か、右心房に負担がかかり、心房の働きを示す波が大きくなります。
これを肺性Pと呼び、心電図で確認できる場合は、喘息が重症化、慢性化していると診断されます。

脈拍数は安静時で1分間に100回までが正常で、
喘息の人は、交感神経刺激剤の影響や喘息発作の状態にあるため、脈拍数が多くなります。

中程度の発作があると、脈拍は100を越えて、高度になると、120を越えることもあります。
不整脈が現れていれば、要注意。
必ず医療機関で心電図を調べてもらって、心臓の病気が合併していないかを検査しましょう。

呼吸機能

気管支が細くなっているかどうかは、ただの風邪や気管支炎と喘息を区別するために
必要な検査。
気管支を調べるための検査は5つ。

1.肺活量
肺活量は、肺にどれくらいの量の空気を出し入れできるかを調べます。
喘息の人は肺胞、肺実質には病気がないので、肺活量は普通のはずです。
肺活量は、年齢と身長によって正常値が設定されており、その値に対し、
80%以上あれば、正常といえます。

2.一秒量
一秒量というのは、測定機に力いっぱい吹き込んだときに、
一秒間に肺から吐き出すことのできた肺活量をいいます。
喘息の人は気管支が細くなっているため、
一秒間に吐き出すことのできる量は少ないです。

3.一秒率
一秒量を肺活量でわり算したのが、一秒率です。
一秒間に肺活量の何%を吐き出せるかが気道狭窄の程度を表してくれます。

肺活量の7割以上を1秒間に吐き出すことができたら正常です。

喘息だとほとんどが7割以下になります。
気管支が細く、さらに狭くなっているために、一秒率が下がります。
一秒率が下がるほど、気管支は細く、狭くなっていると判断できます。

4.気道可逆性テスト
気道狭窄を起こしている喘息患者が、気管支拡張剤を吸入することで、気管支が開きます。
当然一秒量は増加します。
気管支拡張剤を吸入したあとの一秒量が吸入する前よりも20%以上増加すれば、
気道可逆性ありと判定できます。
気管支拡張剤による気道可逆性が20%以上あると喘息と診断されます。

5.肺血腫の検査
肺血腫の人でも一秒率は下がります。
そこで、喘息と肺血腫を呼吸機能で識別する必要があります。
それには、残気量と残気率を測定し、クロージングボリウム、肺拡散能などといった
呼吸機能の詳しい検査が必要。

気道過敏症テスト

気道に炎症があると、気管支が敏感になります。
喘息の人は冷たい空気やタバコの煙、もしくは匂いなどの刺激で
発作がおこってしまうことがあります。
そこで、どの程度、気道が過敏になっているのかを調べることができます。
検査にはメサコリン、アセチルコリン、ヒスタミンなど、
気道収縮物質と呼ばれる検査物質が使用されます。

このような物質をうすい濃度から吸入してもらい、濃度を段階的にあげていきます。
そしてどの程度の濃度で呼吸抵抗値が上昇するのかをみるのです。
喘息の人は、正常者や他の慢性呼吸器疾患の方と比べると、
気道の過敏性が高く、低い濃度でも、呼吸抵抗値が上昇します。

息苦しいという場合も呼吸抵抗値が高い状態をあらわしていて、
喘息が良くなってくると、呼吸抵抗値は上昇しなくなります。

気道の過敏性がどの程度おさまっているかを調べるために
一定の間隔をあけて検査する必要があります。

血液の検査

喘息と疑われる症状がある場合、気管支喘息か否かを判定する決めてとなるのが、好酸球の検査です。

・好酸球とは?
血液の中には赤血球、白血球、血小板という細胞がありますが、白血球の一種が好酸球です。

アレルギー反応や、喘息発作が起きると、末梢血の中で好酸球が増えます。
好酸球は喘息のコントロールが悪いと増加する。よくなると減ってくるということ。

喘息との関係で増減しているうちはまだよくて、好酸球が3割を超えたり、
そこから増加しつづけると、好酸球性肺炎や好酸球性胸膜炎、
アレルギー性肉芽腫性血管炎が起きてしまう場合があります。
また、神経や脳にも炎症がおよんでしまうケースもあります。

ストレスが内向することで、喘息やアレルギー反応は悪化するものです。
好酸球も増えてしまいます。

喘息をコントロールすると、好酸球は減少し、5~10%に落ち着けば、
それ以上に増加することはなくなります。

痰(たん)の検査

痰の好酸球検査

喘息の人の痰(たん)にも好酸球が見られるのが普通とされています。
好酸球は血液の中で増加するだけではなくて、気管支の粘膜上で炎症が起きることでも増加します。
よって、好酸球が痰に混ざって出てくるということになります。
痰の中には、いろいろな細胞が混ざるものですが、
2割以上が好酸球であれば、気管支炎と判断して間違いないのではないでしょう。
ただし、胸の奥から出てきた痰でないと好酸球検査はすることができません。
よってつばを検査しても意味がないということになります。

痰の培養検査

細菌感染が合併していないかを調べたり、抗生物質を使うか否かの判断材料にしたり、
どの抗生物質を使うべきかを判断するために必要な検査。
細菌やウイルスに感染している人の痰というものは、黄色になったり、
または黄緑色になったりします。

ウイルスにだけ感染している場合は、培地には無害な口腔常在菌だけが生えますが、
細菌に感染している場合は、病原菌が培養にて陽性になります。
この検査で、どの薬を使うべきかが判明するのです。

おすすめの記事