男性の体脂肪の特徴
一般的に男性の場合、女性より体脂肪は少なめです。
皮下脂肪は女性より少なめですが、内臓脂肪は女性よりつきやすくなっています。
特に男性は内臓脂肪型肥満になりやすく、
さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態であるメタボリックシンドロームに
なりやすいので注意しましょう。
男性の体脂肪
年齢 低い 標準- 標準+ 軽肥満 肥満
12歳 ~6% 7~15% 16~24% 25~29% 30%~
18~39歳 ~10% 11~16% 17~21% 22~26% 27%~
40~59歳 ~11% 12~17% 18~22% 23~27% 28%~
60歳~ ~13% 14~19% 20~24% 25~29% 30%~
年齢とともに、平均の体脂肪も上がる傾向にあります。
体脂肪は見た目では分からないこともあります。
ほっそりした人でも、骨や筋肉の量が少なければ、体脂肪が高くなりますし、
逆に太って見える人でも、スポーツなどで筋肉がある場合、体脂肪が低くなることもあります。
体脂肪率は低すぎても、高すぎても健康によくあります。
標準-や標準+超えた場合は、標準に戻すよう心がけましょう。
年齢と共に基礎代謝量が下がり、体脂肪は落ちにくくなりますので、
日頃の食生活のコントロール、運動に心がけましょう。
隠れ肥満は内臓脂肪型肥満
かくれ肥満の人のほとんどが、内臓脂肪型肥満と言われています。
見かけはまったく太っていないし、BMIも正常範囲内なのに、体脂肪率が高い状態です。
また、ハードなダイエットによるリバウンドで体重が増えてしまった人も、
そのほとんどが内臓脂肪型肥満です。
お腹をつまんでチェック
一つの目安として、お腹の皮をつまんで、その厚みをみましょう。
仰向けに寝てひざを曲げ、おなかの力を抜いてへその左右の皮をつまみます。
つまみやすくても厚みが感じられず、皮だけつまんでいるようであれば内臓脂肪型、
脂肪ごとごっそりつかめるようであれば皮下脂肪型の可能性があります。
もう一つの方法は、お腹の真ん中とわき腹をつかんで、それぞれの厚みを測定し、
計算式にあてはめて、内臓脂肪の有無を判断します。
ウエスト(cm)÷(A+Bcm)
A:お腹の真ん中の脂肪をつまんだ厚さ
B:わき腹の脂肪をつまんだ厚さ
出てきた数値を指標とし、17が標準、17以上の人は内臓に脂肪がついている可能性があります。
ウエストサイズでチェック
ウエストサイズでも内臓脂肪型肥満かの目安が分かります。
おへそを通るウエストサイズを測り、その数値が男性で85cm以上、
女性で90cm以上であれば、内臓脂肪型肥満の可能性がかなり高くなります。
またウエストサイズが20歳のころよりも5cm以上太くなった人は、
内臓脂肪が増えている可能性があります。
内臓脂肪レベルの判定
例えばオムロンやタニタでは内臓脂肪レベルを30段階に表示します。
内臓脂肪面積の大きさをレベルで表し、内臓脂肪レベル1は、脂肪面積10c㎡に相当します。
レベルが高ければ、内臓脂肪面積が大きいことを表します。
内臓脂肪レベル9以下:標準
今のところ心配ありません。これからもバランスのよい食事や適度な運動を維持しましょう。
内臓脂肪レベル10~14:やや高い
適度な運動を行い、バランスのよい適量の食事を心掛けましょう。
内臓脂肪レベル15以上:高い
積極的にカロリーコントロールと運動を行い減量しましょう。
内臓脂肪レベルが10を超えた時は要注意。
メタボリックシンドロームの可能性が高くなります。
生活習慣病に注意しましょう。
体脂肪を減らす
生活習慣の改善が余分な体脂肪を減らす大きなポイントです。
食べすぎや食べ方の悪いクセを改め、運動不足を解消し、
これらを習慣化させることが大切です。
食べすぎ改善
極端に摂取エネルギーを減らすと、過激なダイエットにつながってしまいます。
食事量を減らすと、健康を維持する上で必要な栄養素が不足しがちになります。
1日に必要なエネルギーとさまざまな栄養素を1日3食きちんととる必要があります。
食べ方改善
早食い、まとめ食い、ながら食い、夜食などの食べ方を改めることも
正しいダイエットの大きなポイント。
規則正しい食生活を送るよう心がけましょう。
継続的な運動
運動は食事とともに非常に重要です。
食事だけのダイエットでは、体重は減るものの肝心の余分な脂肪があまり減らず、
筋肉や骨が減る可能性があります。またリバウンドも起こしやすくなります。
筋肉の減少を防ぐためにも、ダイエットには運動は欠かせません。
食事と運動の両方が整ってこそ、効果的に余分な体脂肪を落とせます。
女性の体脂肪の特徴
女性の場合、子供を産み育てるという特性を持つために、
男性よりも多くの脂肪を貯えています。
また、おなかの皮下脂肪も妊娠中の胎児を保護したり、
大事な臓器を保護するためにも一定量は必要です。
女性は、体の変化の面でも特徴的で、幼児期、思春期、性成熟期、
更年期、老年期といった区分が男性に比べてはっきりしています。
これは女性ホルモンの働き方が変わることからきています。
思春期の女性の体脂肪
幼児期は男女とも身体的な差はほとんどありませんが、
小学校高学年になると内分泌腺の活動が盛んになり思春期となります。
思春期を迎えるころ女性ホルモンの分泌はぐっと盛んになり、
そのため体重が急に増えて、皮下脂肪も1年で2倍くらいになる時期がきます。
そして体つきは急速に女性らしくなってゆき、初潮を迎えます。
注意したいのは、この時期ぐらいから、男子に比べて女子の運動量が少なくなってしまい、
ややもすると体重の増え方に拍車がかかりがちなこと。
「太ってしまった、細くなりたい」と強く感じる時期でもあり、
人によっては拒食症になったり、逆に過食症から思春期肥満になったりすることも
ありますので注意しましょう。
精神的、情緒的に不安定なこの時期を過ぎると体重も安定してきます。
性成熟期の女性の体脂肪
この時期に経験するのが妊娠、出産。
妊娠中は、胎児を育てるために食べる量が増え、過食の傾向が生じます。
その反面、妊娠中の運動量は大変少なくななりますので、
胎児の重さ以外に体重はかなり増加します。
出産を経ても、いったん増えてしまった体重はなかなか元に戻らないばかりか、
授乳期にさらに増えることもあります。
育児優先になるあまり運動量が少なかったり、
母乳を出すためにまた食べることになり、ますます肥満を助長することも。
人によっては、妊娠前に比べて10kgほど太ってしまう場合もあります。
元の体型に戻ればよいのですが、戻らなければ、脂肪の上に脂肪を積み上げることになります。
また、性成熟期の肥満は月経異常、不妊症などに結びやすいので注意しましょう。
更年期の女性の体脂肪
更年期に入ると女性ホルモンの分泌が低下して排卵の能力も落ちてくるため、
生理が不順になってきます。
自律神経の機能の不安定なタイプには更年期障害を訴える人が多く、
情緒不安定から過食に走り、太るケースがかなりあります。
また、基礎代謝も次第に低下し、運動量の低下も加わって太る場合もあります。
さらに更年期以降は特に女性ホルモン低下による動脈硬化、骨粗しょう症の可能性も高くなります。
肥満を解消するためには、何よりも運動することが大切です。