コレステロールを理解するために知っておきたい用語2

糖尿病とは

膵臓で作られるインスリンというホルモンが不足、またはその作用が妨げられて血糖が異常に増加する病気。

食物として取り入れられた栄養素が体の中でうまく利用されないために、
血液の中に含まれるが異常に高くなっている状態です。
血液の中に入ったブドウ糖が、筋肉や脂肪細胞にエネルギー源とし入れないことが原因です。

結果、余ったブドウ糖は尿から流れ出ます。
これが病名の由来となっています。

ブドウ糖を血液中に一定に保つために、必要なだけ筋肉や脂肪細胞に取り入れるようにコントロールしているのが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモン。
そのインスリンがすい臓から分泌されない、あるいはその量が不足している、逆に必要以上に分泌されているのに十分に作用しないなどさまざまな原因で慢性的に血糖値が高くなるのが糖尿病です。

糖尿病の症状

血糖は脳や筋肉などの様々な細胞で利用され、エネルギー源として働きます。
糖尿病は、初めのうちはほとんど症状が無いことです。
知らない間に進行し、合併症が出現して初めて気がつくことということもよくあります。
病気が進行するとだるさ、のどの渇き、体重減少、食欲亢進、多飲・頻尿などの症状が現れます。

また、放っておくと、血管障害や神経障害などの重大な合併症が起こります。
特に細かい血管の集まっている眼や腎臓は障害を受けやすく、
糖尿病特有の合併症(網膜症、腎症)を引き起こします。

糖尿病になって、透析が必要になったり、眼が見えなくなってしまうのはこの合併症によるものです。
また、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化も起きやすくなります。
さらに、神経の障害が起きるなど、体のすべてにわたって重大な疾病を引き起こす病気です。

血糖値200mg/dL以上、早期空腹時血糖値126mg/dL以上が確認された場合、
糖尿病と診断されます。

メタボリックシンドロームとは

肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、
内臓に脂肪が蓄積した肥満(内臓脂肪型肥満)が原因になることが分かってきました。
このように内臓脂肪型肥満によって、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態を
『メタボリックシンドローム』といい、治療の対象となっています。

メタボリックシンドロームの診断基準

米国高脂血症治療ガイドラインによるメタボリック・シンドロームの診断基準は、
下記5項目のうち3項目が該当するとメタボリック・シンドロームと診断されます。

1.ウエスト(腹囲)が男性で102cm以上(日本人では85cm以上)、女性で88cm以上(日本人では90cm以上)
2.中性脂肪が150mg/dl以上
3.HDLコレステロールが男性で40mg/dl未満、女性で50mg/dl未満
4.血圧が最大血圧で130mmHg以上または最小血圧で85mmHg以上
5.空腹時血糖値が110mg/dl以上

メタボリックシンドロームの予防

カロリーを抑制した食事を取り、三食同じ時間に規則正しく食事をとり、
体重減少のために、適度な運動を毎日30分以上(最低10分以上)行うようにしましょう。
ウエスト(腹囲)、中性脂肪、血圧、血糖値を減らし、禁煙するよう努力しましょう!

メタボリックシンドロームは、生活習慣の改善や、無理のダイエットなどで予防することができます。
無理をしないで、継続することが大切です。

酸化LDLとは

LDLコレステロールが酸化されてできるリボたんぱく。
動脈硬化の発生に関係しています。

血中コレステロールには悪玉のLDLと善玉のHDLがあります。
LDLは血管に付着して動脈硬化などの原因となり、逆にHDLは血管壁に溜まったコレステロールを掃除します。
ただ、LDL自体が悪玉なのではなく、LDLが「酸化LDL」になったときに、危険因子となります。
LDLの酸化に関係しているのは活性酸素です。

マクロファージとは

マクロファージとは、血液細胞の一種。
血液中や体内でほとんど全ての異物を取り込んで消化するとともに、それらの異物に抵抗するための免疫情報をリンパ球に伝える貪食細胞。

例えば、活性酸素によって酸化された悪玉コレステロールは体内で異物とみなされます。
その異物を取り除き、脂肪を守ろうとする働きを持つのがマクロファージ。
マクロファージは、悪玉コレステロールを取り込んで消化してくれるのです。

ただマクロファージが、悪玉コレステロールを大量に食べ過ぎると飽和状態になり、
泡沫細胞とよばれる物質になって、血管の壁にへばりついてしまいます。

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