喘息にはどんな種類がある!?

喘息の種類には、気管支ぜんそく、咳ぜんそく、心臓ぜんそく、小児ぜんそく、運動型誘発ぜんそく、アスピリンぜんそくなどがあります。

どれもやっかいな病気。
多くの場合、アレルギー性の病気なのでほかの病気が合併することもあります。

それぞれの病気の症状・原因・対策をよく理解して徹底的に治療しましょう。

気管支喘息

気道(気管支)に炎症が起きていることから、「気管支ぜんそく」と呼ばれます。
一般に喘息と言われるのは、この気管支喘息のこと。

気管支喘息の症状

気管支ぜんそくは、急に呼吸、特に吐く息が苦しくなり、
ゼイゼイ・ヒューヒュー鳴る発作性の呼吸困難を主な症状とする疾患。

気道の慢性的な炎症によって起こり、気管支に炎症が生じることで、
気管支の周囲をとりまいている平滑筋(筋肉)が痙攣を起こして収縮、内腔が狭くなります。
同時に、気管支の粘膜にむくみが生じ、粘膜からの分泌物がたまったりすることで、
ますます空気の通りが悪化し、喘鳴や呼吸困難が起こります。

ぜんそく発作は多くの場合、夜中から明け方にかけて起こり、日中はおさまる傾向があります。
発作のないときはほとんど正常ですが、
いったん発作がおこると、様々な症状があらわれることが多いです。
酸素不足のため血液がうっ血し、唇や爪が 紫色になることも。
顔色はまっさおになり、ゼイゼイというぜんそく特有の端鳴と呼吸困難がひどくなり、
ときには就寝が困難になることもあります。

発作は30分から数時間、ときには数日間も継続することがありますが、
多くはせきと、透明でネバネバした痰(たん)が出ることで治まりを迎えます。
これが大発作になると、意識を失うこともあり、
場合によっては窒息などを招くこともあるので注意が必要。

気管支喘息の前兆

気管支喘息には、誰もが共通して喘息の前兆があります。

成人の気管支喘息の前兆

  • 咳き込み、息苦しさが生じてくる
  • 胸に違和感を感じ、深い息をすると痛みが生じてくる
  • 微熱が出やすくなってくる
  • 風邪をひいたあとに、咳や痰が長引いてしまい、喉の奥がゼイゼイしてくる
  • タバコの煙、冷たい空気の影響などで咳がでてくる

小児の気管支喘息の前兆

  • 発熱がある
  • 落ち着きがなく、ぐずってしまう
  • 咳払いが多くなる

このような前兆が出てきてしまったときには、
無理をしないで休憩を取るようにしましょう。

気管支喘息の原因

気管支ぜんそくは、気管支に炎症を引き起こす原因によって、
アレルギー型と非アレルギー型に大別されます。

アレルギー型というのは、アレルギーの原因物質が体内に侵入することで、
ぜんそく発作を起こします。
そのアレルゲンには吸入性抗原であるハウスダストや花粉類、
あるいはカビ、犬や猫の毛、ホコリ、ダニなどもあげられます。

その他では、食事性抗原としてカニ、エビ、鶏卵、ウシ・ブタ肉、魚類、
または野菜なども指摘されていますが、個人差があります。
または、薬品などが原因になることもあります。

アレルギー体質は、高い確率で遺伝するとされ、
家族や親族に アレルギー性疾患をもった人間いると、喘息を発症しやすいとされています。

アレルギーはぜんそくと特に関わりが深く、子供や大人のぜんそく患者のおよそ5割が、
アレルギー性鼻炎を合併しているという報告があります。
つまり、そのような人は喘息の治療だけでなくて、
アレルギー性鼻炎の治療も並行して行う必要があるといえます。

アレルギー性鼻炎の改善と共に、喘息の症状が改善することにつながるのです。

非アレルギー型は、アレルギー以外の原因によって発症するタイプを指します。
自律神経失調やホルモンの分泌の乱れが原因とされています。
または、季節の変わり目に起こる急激な温度の変化や精神的ストレスのほか、
工場の排煙や車の排気ガスなどによる大気汚染、
身近ではタバコの煙、建材や殺虫剤に含まれる化学物質、食品添加物などが
発作の引き金として影響しています。

気管支喘息の対策

気管支ぜんそくの発作を予防したり、症状を悪化させないようにするには、
まず気道を刺激する物質やアレルゲンを特定し、身の回りから除去するのが第一歩。

ハウスダストやダニを除去するためには、こまめに掃除し、部屋の中を清潔に保つようにしましょう。
蚊取り線香や香水、化粧品、殺虫剤、衣類の防虫剤など、
成分はもちろんニオイも発作の誘因となることがあるので、
なるべく使用を避ける、もしくはその付近に近づかないようにすることが大切です。

また、生活習慣を見直すことも重要で、タバコはもちろん吸わずに、
アルコールは過度に飲まないといった自己管理が重要になります。

さらには適度に続けられる運動、冷水まさつや冷水シャワーを浴びたりすることで、
自分自身の体そのものを強くするということも有効でしょう。

自己免疫の過剰な反応により、炎症を起してしまうこの病気の特徴を感が見ると、
炎症を抑える事と免疫の調整をしてくれる食べ物を摂ることも大切であるといえます。
炎症を抑えるためにビタミン、特にA、C、Eをバランス良く摂ることをおすすめします。
免疫調整としては、きのこや玄米を毎日の食事に積極的に取り入れるとよいでしょう。

咳喘息

咳喘息とは、喘息特有のゼーゼー、ヒューヒューや呼吸困難が無く、咳だけが続く病気。
乾いた咳が続き、明け方にひどくなることが多く、
喘鳴や呼吸困難がなく、呼吸機能も正常というのが代表的な症状。
息を吸う時も咳、吐く時も咳が出やすくなります。

気管支の管の中が0%になると気管支喘息と呼びます。
風邪が治ったのに咳が出続けるという人は、医師にみてもらったほうがよいでしょう。

咳止めが効かないことも多く、吸入ステロイド薬がよく効きます。
気管支の管の中が健康時よりも狭くなっている状態。

タバコの煙や密閉された空間は避けたほうがよでしょう。

咳止めを飲むと、交感神経を亢進させるので、イライラしたり、睡眠が浅くなったりするため、
疲労回復が遅れ、かえって症状が長引くこともあるので注意が必要です。

当然、タバコの煙にも反応して咳喘息が長引くので、喫煙・受動喫煙とも避けるべし。
対策としては、寝る時に立体マスクをして寝ると有効。

咳喘息の症状

咳喘息は、乾いた咳が続き、明け方にひどくなる傾向がありますが、
喘鳴や呼吸困難はなく、呼吸機能は正常というのが症状です。

一般的な喘息と同様に、気道が狭くなることで、
いろいろな刺激に対して過敏になってしまいます。
それらが原因となり、気道の炎症や咳の発作が起こるのです。

かぜに併発して起こることが多くあり、かぜをひいたあとに2~3週間以上、
咳が続くことがあれば、この病気の可能性があると考えてよいかもしれません。
咳喘息にかかってしまうと、一カ月以上、空咳(からぜき)が続くことがあります。
ひどい場合は咳が一年以上続くこともあるようです。

ただし、喘息に見られるゼイゼイ、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)や
呼吸困難といった症状はないです。
また、発熱や痰(たん)などの症状もほとんどありません。

夜中から明け方に激しい咳が出たり、寒暖の差や喫煙で
咳が出やすくなるのが特徴と言われています。
のどにイガイガ感を伴うこともあり、長話をした際、
のどが渇いたりかれたりすることがあります。
咳の発作が激しい場合は、胸の痛みを感じたり、嘔吐、失神したりすることも。

咳喘息は、喘息の前段階ともいわれており、
咳喘息を放置してしまうと、本格的な喘息に移行してしまうことがあります。
そうなる前に正しく治療し、健康管理することが重要であると思います。

咳喘息で咳止めを飲んでしまうと、交感神経を亢進させてしまいますので、
イライラしたり、睡眠が浅くなったりしてしまいます。
それによって、疲労回復が遅れ、かえって症状が長引くこともあるようです。
咳喘息の原因となる化学物質を肺の奥まで吸い込む機会が増えると、
咳喘息の症状が出やすくなってしまいます。
風邪をひいた後に、呼吸器官に粘着している異物を
しっかり取り除こうと体が反応することで咳喘息の症状が出る人が増えているようです。

気道の慢性的な炎症で、気管支の内径が狭い状態で、
気管支の管の中が時に0%になると気管支喘息となります。
そのままだと約3割の人が喘息に移行していきます。
咳止めを服用しても効かないことが多く、
吸入ステロイド剤を使うことで、喘息になる可能性を大幅に減らすことができます。

風邪が治ったのに咳が出続けるという人は、医師に相談しましょう。

咳喘息の注意点

咳喘息になると、吸う時も咳、吐く時も咳が出やすくなってしまいます。
タバコの煙や密閉された空間を避けましょう。
咳止めを服用すると、交感神経を亢進させ、イライラしたり、睡眠が浅くなったりするため、
疲労回復が遅れ、かえって症状が長引くこともありますので、注意が必要です。

咳喘息はタバコの煙にも反応して咳喘息が長引くので、
受動喫煙も避けましょう。

また、咳喘息の対策としては、寝る時に立体マスクをすると有効です。

咳喘息の原因

咳喘息の原因となる物質が増えたため、咳喘息になる人が増えています。

原因となる物質を肺の奥深くまで吸い込む機会が増えると、咳喘息が出やすくなります。
さらに、風邪をひいた後に、呼吸器官に粘着している異物を取り除こうとすることが
体の自然な反応で、それにより咳喘息の症状が出る人が増えているのです。

原因とされているのは

  • 中国の大気汚染
  • 黄砂
  • タバコ
  • ・防虫剤
  • インフルエンザの予防接種などに含まれる微量の有機水銀やホルマリン、鶏卵

などなど…。

化学物質過敏症傾向になると悪循環になることもあります。
また、電磁波過敏症傾向となり咳喘息が悪化したり、抑うつ状態傾向となることで
咳喘息も悪化したりします。

病院での検査

咳喘息は、治すことはもちろんですが、フォローがもっと重要です。
持続性の咳を訴えて病院へ行く方は、確かに咳喘息であることが多いのですが、
詳しく問診すると咳以外の呼吸器症状があり、
すでに喘息になってしまっていることも多いです。

治療で改善した人に、ピークフロー値の測定を行い、
フォローするのがより良い方法と言われています。

息切れや息苦しさには、本来の呼吸器症状ではないこともあります。
詳しい問診で咳以外の呼吸器症状を確認したら、呼吸機能検査やピークフロー測定を行い、
気管支喘息と診断すべきかどうか検討する必要があります。

咳以外の症状にあまり悩んでいない人は、咳が出なくなると来院しなくなってしまうケースが多く、
ぜんそくへ進行してしまうことがありますので、
ピークフローなどを定期的に測定し、喘息の見落としを防ぐようにすることが大切です。
咳喘息の症状が改善したら定期的なピークフロー検査が必要です。

咳喘息の予防

咳喘息の発作を発症する時の特徴として、
気道の粘膜が炎症を起こすことで気道が過敏となってしまい、
チョットした影響によっても咳が出やすくなってしまいます。

病院での咳喘息の診断基準として

  • 喘鳴(ゼイゼイ・ヒューヒューなどの異常呼吸音)を伴わない咳が8週間以上続いている
  • 今までに喘鳴、呼吸困難などを伴う喘息を患ったことがない
  • 8週間以内に上気道炎(かぜ)を患っていない
  • 気道が過敏になっている
  • 気管支拡張薬が効果的に効く
  • 咳感受性は亢進していない
  • 胸部レントゲンで肺炎などの異常が認められない

簡易的には、【喘鳴を伴わない咳が8週間以上続いている】、
【気管支拡張薬が効く】といった2項目を満たせば咳喘息と診断さます。

咳喘息の予防

このようなことから、咳喘息の発症を予防をするために、

  • 喫煙やタバコの副流煙を避ける
  • アルコールは控える
  • 室内でのカビ・ダニ・花粉などといったアレルゲンを取り除く努力をする
  • 急激な気温の変化や室内外の温度差に注意する
  • 睡眠や休養を十分にとってストレスを溜め込まないようにする

といったことが予防策となります。

小児喘息

実際にはどのように小児喘息の診断がつけられるのでしょうか?

小児喘息の診断を受ける際には、子どもの状態や経過を医者によく話をしてから検査してもらい、
そのうえで診断をつけてもらう必要があります。

笛のような呼吸音を伴った呼吸困難の発作をくりかえす疾患が発症した場合、
喘息という診断をうけますが、以下のような病名を除外する必要があります。

  • 先天性異常、発達以上に基づく喘鳴
  • 大血管奇形
  • 先天性心疾患
  • 気道の解剖学的異常
  • 咽頭、気管支軟化症
  • 繊毛運動機能異常
  • 感染症に基づく喘鳴
  • クループ
  • 気管支炎
  • 細気管支炎
  • 肺炎
  • 気管支拡張症
  • 肺結核
  • アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
  • 過敏肺炎
  • チスティックフィブロージス
  • サルコイドーシス
  • 気道内異物
  • 過換気症候群
  • 気管、気管支の圧迫
  • 肺浮腫など

たまに子どもの気管支の疾患に喘息様気管支炎という病名が使われることがあり、
これは感染症に基づく喘鳴の気管支炎にあたります。
この気管支炎は、風邪やインフルエンザ、その他のウイルスによって、
感染症の気管支炎がでた場合のみに、喘鳴を伴いますので、
喘息様気管支炎と呼ばれます。

小児喘息の症状

ゼーゼーやヒューヒューと呼吸困難になり、夜間や明け方に咳き込みやすくなります。
また息が苦しく、肩をあげて呼吸する、痰(たん)がからむこともあります。

環境の変化により体調が悪くなる場合もあります。
例えば、ホコリを吸い込んだり、動物に近づくと息苦しくなる、台風など気圧の変化が大きいときに具合が悪くなる、激しい運動をすると息苦しくなり、なかなかおさまらないなど。

さらに、風邪薬や咳止め薬を飲んでも症状が治らず、 処方された気管支拡張薬(テオドールなど)が効いて症状が改善するのが小児喘息の症状の特徴と言えるでしょう。

小児喘息と診断するには、一回の診察では難しい病気です。
2歳~3歳のころ頻繁に喘鳴を繰り返す幼児は
小児喘息に移行するリスクが高いと考えられています。

小児喘息の治療

小児喘息は子供が成長するとともに軽快になる場合がほとんど。
まれに成人喘息に移行する場合もあります。

小児期に喘鳴が認められる場合はウイルス感染、アレルギー、異物の可能性が考えられます。
重要な鑑別疾患としてはRSウイルスによる細気管支炎があります。
細気管支炎では一日中喘鳴が聴取されるが、気管支喘息はヒューヒュー、
ゼイゼイとした喘鳴が夜間に多いのが特徴。

治療はβ2刺激薬の吸入とステロイドの全身投与が基本。
吸入は吸入器(定量噴露吸入器とドライパウダー吸入器)とネブライザーによる吸入が一般的。
吸入をサポートするスペーサーも各種あります。

小児喘息の治療の目標は、軽いスポーツを含め、
日常生活を普通に行うこと、昼夜を通じて症状がないこと、
β2刺激薬の頓用の減少、学校の欠席の防止、肺機能障害の予防、PEFの安定化です。

また食事コントロール、呼吸法改善、アレルギー物質の排除、居住空間を清潔に保つ、居住空間の湿度を保つ、適切な運動で体を鍛えるなど根本治療に有効です。

心臓喘息

心臓喘息の症状

心臓喘息は、急性心不全の症状のひとつであり、ぜーぜーと咳き込む症状が起こりはじめます。
肺うっ血のために気管支が圧迫されることが原因となっており、喘息と似た症状です。

激しい呼吸困難が始まり、同時に咳と痰が出るようになります。
泡のような痰で、時にピンク色になることも。

心臓喘息は心臓のポンプとしてのはたらきが急速に低下し、
全身の血液の流れが滞る状態をいいます。
心臓のポンプ機能のうち、肺から血液を吸い上げる力が低下することで、
肺がうっ血してしまい、酸素交換が悪くなることで呼吸困難になってしまいます。

呼吸困難は半座位で楽になり、仰向けの姿勢でいると悪化します。
唇が紫色になってしまい、手足は冷たく、全身に冷や汗をかいてきます。
脈は速くなり、動悸を訴えることもあります。

また、全身に血液を送り出す力が低下していますので、
口唇や皮膚が紫色になるというチアノーゼ状態になります。
血圧が低下する状態は心原性ショックといわれており、
適切に治療をしないと生命の維持が難しくなってしまいます。

このような状態が急速に出現し、さらに悪化していくと急性心不全となります。
急性心筋梗塞では、胸痛や胸部圧迫感が出現します。

心臓喘息の原因

最も多い原因は、急性心筋梗塞などといった虚血性心疾患といわれています。
ほかの原因としては、拡張型心筋症、心臓弁膜症、高血圧性心疾患、
先天性心疾患、甲状腺機能亢進症などがあります。

急性心筋梗塞では突然に発症することが多いとされていますが、
その他の病気では慢性に続いている心不全が急速に悪化して急性心不全になることもあり、
慢性心不全の急性増悪と呼ばれています。

このような場合、心不全を悪化させる誘因が働きます。
誘因として多いのは、かぜなどの感染症、不整脈、肉体的・精神的なストレス、
過剰な飲水・飲食、薬ののみ忘れ、不適切な薬の投与など。
甲状腺機能亢進症、貧血、妊娠などが誘因になることもしばしばです。

心臓喘息の治療

治療は一刻を争います。
診断と治療は同時。まず行われる検査として、
胸部X線検査、心電図、エコー、血液検査があります。

まず、半座位になり、酸素吸入を始め、利尿薬、血管拡張薬、強心薬を投与。
呼吸の状態が非常に悪い場合、気管内挿管をして人工呼吸します。
利尿とともに呼吸は楽になります。
同時に、原因となる急性心筋梗塞や不整脈に対する治療を施します。

心臓喘息(急性心不全)に気づいたら
一刻も早く、専門医のいる救急病院に入院しましょう。
呼吸の状態が悪い場合、救急車による搬送を依頼したほうがよいかもしれません。
退院後は、再発予防のために食塩と水分の過剰摂取や飲酒を避け、
過食にも気をつけることになります。

さらに、十分な休養と睡眠が必要です。
医師の指示に従って安静の程度を守りましょう。
そのうえで内服治療を継続することになります。

喘息性気管支炎

喘息性気管支炎の症状

喘息性気管支炎は、子供に多い症状です。
風邪をひいてしまうたびに必ずと言っていいほど、
だけがいつまでも長引いているお子さんがいます。

他の症状としては、発熱もなく、食欲はあり、
夜もぐずることがなくぐっすり眠れている状態で、昼間も機嫌良く遊んでいるようです。
こんなに咳が出ているのに、調子が悪くないのだろうかと、
不思議に思うでしょう。
こういう状態が喘息性気管支炎です。

厳密にいうと、喘息でもなければ気管支炎でもないのです。
特に生活も普段通りでかまわないものではありますが、
発熱があったり、咳がひどすぎて嘔吐してしまう場合もありますので、
夜も眠れないくらいの咳が出ているときは薬を処方してもらったほうがよいでしょう。

喘息性気管支炎の場合は、カラダの成長と共に症状は軽くなっていくものです。

ですが、中には反対に症状が重くなってしまったり、
喘息へと移行してしまうケースもあります。
親族に気管支喘息の人がいる場合、その確立は高くなる傾向があります。

喘息性気管支炎の対処法

水分を多くとり、室内の空気が乾燥しないように注意する必要があります。
就寝の際に咳が出て辛い場合には、上半身を少し高めにすると咳が若干おさまることがあります。
枕の下から背中にかけて、バスタオルを数枚重ねて敷くといいのかもしれないですね。

気管支喘息との違い

喘息性気管支炎は喘息のような症状を見せながらも喘息ではないのです。
喘息に似た症状なので「喘息性」と呼ばれています。

では気管支喘息とはどのようなものな…。
大きな違いは、咳による呼吸困難のレベルが全く違うというところにあります。

近年、お子さんの気管支喘息も増加傾向にあり、
重症の発作を起こすと命を落とすこともありえます。

 四日市ぜんそく

四日市ぜんそくの症状

四日市ぜんそくは、三重県四日市市と三重郡楠町で
昭和35年(1960年)から昭和47年(1972年)にかけて
四日市コンビナートから発生した大気汚染による集団喘息障害のこと。

四大公害病の一つとされ、当時は別名「塩浜喘息」・「四日市のぜんそく事件」と呼ばれていました。
ぜんそくを引きおこした有毒物質は硫黄酸化物。
この硫黄酸化物が、有毒物質のなかでも、もっとも影響が強かったと思われており、
この物質は石油を燃焼させたときに発生します。

コンビナートの操業が開発されたころは、排出される硫黄酸化物の総量が年間10万トン近くまで
増えてしまっていました。
石油は石炭のように黒い煙をださないため、空が黒く覆われることはありません。
石炭よりもクリーンなエネルギーのように感じる石油ですが、
ぜんそくなどの気管や肺の障害を引き起こす硫黄酸化物を多く含んでいたのです。

それらのことから、石炭の黒いスモッグに対して、四日市の煙は白いスモッグといわれていました。
四日市のコンビナートでは、中東産の硫黄分の多く含んだ原油を使っていたことが、
被害をよりひどくしたのです。

四日市の公害歴史

戦前までの四日市市は紡績の町として有名でした。
四日市市は、東洋紡績、東亜紡織、平田紡績の発祥地である工業都市。
繊維産業を中心とする軽工業に変わる、新しい産業を振興する重工業化政策の必要性より、
日本で最初の石油化学コンビナートの誘致が三重県と四日市市によって進められました。

1960年代に四日市港や伊勢湾沿いの海水浴場でもあった砂浜を埋め立てたのが
石油コンビナートで、四日市港沿いの住宅地周辺に位置し、
そこに、建設されたのが、第1コンビナートです。

それが、後の四日市喘息の初期である塩浜喘息の要因となるのです。
埋め立てで建設された中部電力などの第2コンビナートにより、
四日市喘息が塩浜地区以外に拡大しました。
第3コンビナートの建設地は霞ヶ浦海水浴場で、
人工的に埋め立てられた島となっており、住宅地と離れていたという事と
プラント設備など公害対策がとられていたため、富田地区には公害が発生しませんでした。

第1コンビナートが塩浜に建設されたことが、四日市ぜんそくの発端となっています。
当初は第1コンビナートによる「塩浜ぜんそく」と呼ばれるもののみで、
塩浜地区のみの被害でしたが、高煙突化により、
三重郡楠町・浜田地区・日永地区に公害が拡大したのです。

第2コンビナートは四日市市中部など臨海部に被害を拡大さたのです。

アルコール誘発喘息

日本人に多いアルコール誘発喘息

気管支喘息のなかで、アルコール誘発喘息というものがあります。

これは、日本人に多いとされています。
というのは、日本人は体質的に、アルコール分解酵素を持っている人が
欧米人と比べると、少ないからなのです。

このアルコール分解酵素によって、肝臓に運ばれたアルコールが分解されるのですが、
十分に処理しきれない場合は、毒性のあるアセトアルデヒドという物質が
大量に体内に残ってしまうということになるのです。

アセトアルデヒドは、肥満細胞という細胞を刺激してしまい、この刺激された肥満細胞が、
アレルギー反応を引き起こすヒスタミンを大量発生させるのです。
このヒスタミンが、気管支の気道を刺激し、喘息の症状や発作を引き起こすことが分かっています。

アルコール誘発喘息への流れ

アルコール分解酵素の少ない方のアルコール誘発性喘息への一連の過程は以下の通りです。
アルコール⇒有毒アセトアルデヒド⇒肥満細胞の刺激⇒ヒスタミンの放出⇒ 喘息の誘発

おすすめの記事